放射線を測定してみよう
放射線は目に見えません。音もしないし、臭いも味もありません。手に触れることもできません。では、どうしたら測定できるのでしょうか。
それは、放射線が物質にあたったときに生じる変化を利用します。放射線の作用のおもなものには、(1)物質の電子をはじきとばしてしまう、電離作用(2)特定の物質を発光させる蛍光作用、(3)フィルムを感光させる写真作用、があります。
放射線の測定では、(1)電離作用を利用する場合が多く、この会場で展示しているローリッツェン器もこの電離作用を利用しています。また、ここで展示している大型霧箱で放射線の飛跡が見えるのも、この電離作用のためです。
|
|
常設型ウィルソンの霧箱で宇宙線などの自然放射線を観測
この箱の中に放射線が入ると、空気の原子に当たってその電子を弾き飛ばし、正(プラス)の電気を帯びてイオン化します。そうすると、まわりに気体となって浮かんでいたアルコールの分子が、イオン化した原子を核に集まり細かな液体の粒になります。さらに、これが集まると目に見える霧になります。
これによって、この箱に中に入ってきた放射線の飛んだ跡(飛跡)を霧
の線として見ることができるのです。
53
(8月末まで展示 以降は展示していない期間があります。)
|