きかくてんをみよう
現在(げんざい)における被爆(ひばく)調査(ちょうさ)の役割

人類史上初の被爆地(ひばくち)広島における被爆(ひばく)調査(ちょうさ)によって蓄積(ちくせき)されてきたデータや医療(いりょう)実績(じっせき)は、放射線(ほうしゃせん)防護(ぼうご)国際(こくさい)基準(きじゅん)づくりや、世界各地の原発(げんぱつ)事故(じこ)など放射線(ほうしゃせん)()ばく事故(じこ)被害者(ひがいしゃ)治療(ちりょう)に生かされています。
一般(いっぱん)の人々や、原子力発電所の作業員など放射線(ほうしゃせん)()ばくを(ともな)職業(しょくぎょう)従事者(じゅうじしゃ)の年間に浴びる放射線(ほうしゃせん)限度(げんど)は、国際(こくさい)放射線(ほうしゃせん)防護(ぼうご)委員会(いいんかい)(ICRP)の勧告(かんこく)(もと)づいて法律(ほうりつ)で定められていますが、この勧告(かんこく)は、放射線(ほうしゃせん)影響(えいきょう)研究所(けんきゅうじょ)(きゅう)ABCC=原爆(げんばく)傷害(しょうがい)調査(ちょうさ)委員会(いいんかい))のデータを(もと)にして作成されています。
また、広島における長い間の被爆者(ひばくしゃ)治療(ちりょう)蓄積(ちくせき)されている実績(じっせき)を、国内外での放射線(ほうしゃせん)()ばく事故(じこ)被害者(ひがいしゃ)治療(ちりょう)有効(ゆうこう)活用(かつよう)できるよう、広島の医療(いりょう)関係者(かんけいしゃ)は、医師団(いしだん)派遣(はけん)したり、現地(げんち)医師(いし)研修(けんしゅう)に受け入れるなどしています。

放射線(ほうしゃせん)測定(そくてい)してみよう
放射線(ほうしゃせん)は目に見えません。音もしないし、(にお)いも味もありません。手に()れることもできません。では、どうしたら測定(そくてい)できるのでしょうか。
それは、放射線(ほうしゃせん)物質(ぶっしつ)にあたったときに生じる変化を利用します。放射線(ほうしゃせん)の作用のおもなものには、(1)物質(ぶっしつ)の電子をはじきとばしてしまう、電離(でんり)作用(さよう)(2)特定の物質(ぶっしつ)を発光させる蛍光(けいこう)作用(さよう)、(3)フィルムを感光させる写真作用、があります。
放射線(ほうしゃせん)測定(そくてい)では、(1)電離作用(でんりさよう)を利用する場合が多く、この会場で展示(てんじ)しているローリッツェン器もこの電離(でんり)作用(さよう)を利用しています。また、ここで展示(てんじ)している大型霧箱(きりばこ)放射線(ほうしゃせん)飛跡(ひせき)が見えるのも、この電離(でんり)作用(さよう)のためです。
  常設型(じょうせつがた)ウィルソンの霧箱(きりばこ)宇宙線(うちゅうせん)などの自然(しぜん)放射線(ほうしゃせん)観測(かんそく)
この箱の中に放射線(ほうしゃせん)が入ると、空気の原子に当たってその電子を(はじ)き飛ばし、正(プラス)の電気を帯びてイオン化します。そうすると、まわりに気体となって()かんでいたアルコールの分子が、イオン化した原子を(かく)に集まり細かな液体(えきたい)(つぶ)になります。さらに、これが集まると目に見える(きり)になります。
これによって、この箱に中に入ってきた放射線(ほうしゃせん)の飛んだ(あと)飛跡(ひせき))を(きり) の線として見ることができるのです。
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(8月末まで展示(てんじ) 以降(いこう)展示(てんじ)していない期間があります。)
  原子(げんし)爆弾(ばくだん)ナリト(みと)
原爆投下後(げんばくとうかご)に行われた被爆(ひばく)調査(ちょうさ)軌跡(きせき)を追う

 ●はじめに
 ●被爆前夜─日本の原子物理・放射線の研究状況
 ●突然襲ってきた「新型爆弾」の悲劇
 ●混乱の中の初期調査と原爆の確認
 ●終戦の混乱の中でも続けられる被爆調査
 ●原子爆弾災害調査研究特別委員会と日米合同調査団
 ●日本映画社による原子爆弾記録映画の制作
 ●占領終了後の被爆調査
 ●現在における被爆調査の役割
 ●おわりに/ご協力いただいた方々・参考文献

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