突然襲ってきた「新型爆弾」の悲劇
それまでほとんど空襲らしい空襲を受けたことのなかった広島の、いつもどおりの暑い夏の一日が始まろうとした1945(昭和20)年8月6日午前8時15分、突然、人類が初めて経験する原子爆弾が市民の日常生活の真上に投下されました。
何の知識もない市民は、何が起こったかまったくわからないまま一瞬の内に多くが犠牲になり、また、火災を逃れるために逃げ惑いました。そして、逃げ延びた被爆者も大やけどを負い、おう吐・下痢・発熱などの急性障害で自分がどうして死ななくてはならないのかさえも分からないまま、その多くが無念の死をとげていきました。
大混乱の中、被爆者の多くには、十分な治療も情報も与えられなかったのです。
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