きかくてんをみよう
おわりに


困難(こんなん)状況(じょうきょう)の中で被爆(ひばく)直後から始められた日本人研究者による被爆(ひばく)調査(ちょうさ)によって、原爆(げんばく)被害(ひがい)解明(かいめい)するための貴重(きちょう)な初期データや資料(しりょう)が得られました。また、その後の日米の共同調査(きょうどうちょうさ)現在(げんざい)(いた)る国内での調査(ちょうさ)研究(けんきゅう)により、さらに詳細(しょうさい)なデータが蓄積(ちくせき)されてきました。

一方で、この被爆(ひばく)調査(ちょうさ)によって被害(ひがい)全容(ぜんよう)解明(かいめい)されたわけではありません。医学、物理学、社会学などの分野において課題が多いのが現状(げんじょう)です。

しかし、被爆(ひばく)調査(ちょうさ)によって得られたデータと資料(しりょう)は、何より、かけがえのない命を原爆(げんばく)によって(うば)われ犠牲(ぎせい)となられた被爆者(ひばくしゃ)の方々からのメッセージです。(わたし)たちは、長い被爆(ひばく)調査(ちょうさ)の歴史の中で得られたこれらのものを、有効(ゆうこう)に活用し、さらに調査(ちょうさ)研究(けんきゅう)を続けて被爆(ひばく)の実相を解明(かいめい)していくことが残された者の使命だと考えます。

原爆(げんばく)被害(ひがい)の実相を正しく伝えることが、広島の願いである核兵器(かくへいき)廃絶(はいぜつ)と、(かく)のない世界恒久平和(せかいこうきゅうへいわ)実現(じつげん)に向けての運動に大きな力を(あた)えることになるのです。

54 「原子(げんし)爆弾(ばくだん)災害(さいがい)調査(ちょうさ)研究(けんきゅう)特別(とくべつ)委員会(いいんかい)」の理化学研究所研究者が実際(じっさい)に使用したネーヤ型宇宙(うちゅう)線計(せんけい)


ご協力をいただいた方々(順不同 敬称略)

(団体)
財団法人仁科記念財団、理化学研究所記念史料室、広島大学原爆放射線医科学研究所、呉市市史編纂室、呉市企画部海事博物館推進室、桜隊原爆忌の会世話人事務所、平和博物館を創る会、都立第五福竜丸展示館、財団法人放射線影響研究所、放射線被曝者医療国際協力推進協議会、核戦争防止・核兵器廃絶を訴える京都医師の会、京都府保険医療協会、有限会社ラド、日本映画新社、近代映画協会、
(個人)
舟橋喜恵、早川式彦、中根良平、鎌田甲一、矢野倉実、正本弘子、戸田一郎、山田英雄、山科洋一、中山つたえ、木村正子、加納宗子、山口由昭、永井秀明 

参考文献(順不同 敬称略)

「広島・長崎の原爆災害」広島市長崎市原爆災害誌編集委員会編、「原子爆弾 広島・長崎の写真と記録」仁科記念財団纂、「原水爆時代」今堀誠二、「広島県史 原爆資料編」広島県、「広島市原爆被爆者援護行政史」広島市、「広島市新史 資料編Ⅰ」広島市、「年表ヒロシマ40年の記録」中国新聞社、「米軍占領下の原爆調査」笹本征男、「検閲」モニカ・ブラウ/立花誠逸訳、「原爆被災学術資料に関する報告書 AFIPからの返還資料について」広島大学原爆放射能医学研究所、「櫻隊全滅 ある劇団の原爆殉難記」江津荻枝 その他


図版一覧(敬称略)
1  「核と共に50年」木村一治 から転載
2  林重男 撮影
3  菊地徳子提供/菊地俊吉撮影
4  マックス・プランク協会提供
5  理化学研究所記念史料室蔵
6  理化学研究所記念史料室蔵
7  木村権一撮影
8  木村権一撮影
9  松重美人撮影
10  岸田貢宣撮影
11  陸軍船舶司令部写真部撮影
12  朝日新聞社提供
13  呉市企画部海事博物館推進室蔵
14  呉市企画部海事博物館推進室蔵
15  平和記念資料館蔵
16  仁科記念財団蔵
17  広島大学原爆放射線医科学研究所蔵
18  平和記念資料館蔵
19  平和記念資料館蔵
20  仁科記念財団蔵
21  「核と共に50年」木村一治 から転載
22  広島大学原爆放射線医科学研究所蔵
23  広島大学原爆放射線医科学研究所蔵
24  広島大学原爆放射線医科学研究所蔵
25  中野進提供
26  眞下英夫提供
27  呉市企画部海事博物館推進室蔵
28  呉市企画部海事博物館推進室蔵
29  菊地徳子提供/菊地俊吉撮影
30  平和記念資料館蔵
31  近代映画協会提供
32  広島大学原爆放射線医科学研究所蔵
33  毎日新聞社提供
34  毎日新聞社提供
35  「焦土のカルテ」日本映画新社
36  田子恒男撮影
37  林重男 撮影
38  「焦土のカルテ」日本映画新社
39  「焦土のカルテ」日本映画新社
40  林重男 撮影
41  田子恒男撮影
42  「焦土のカルテ」日本映画新社
43  「災害との遭遇-広島の医学日記、1945年」AVERILL A.LIEBOW から転載
44  広島大学原爆放射線医科学研究所蔵
45  広島市公文書館蔵
46  林重男 撮影
47  広島市公文書館蔵
48  呉市市史編纂室蔵
49  井手三千男撮影
50  財団法人広島原爆障害対策協議会提供
51  広島大学原爆放射線医科学研究所提供
52  放射線影響研究所提供
53  有限会社ラド提供
54  理化学研究所記念史料室蔵

  原子(げんし)爆弾(ばくだん)ナリト(みと)
原爆投下後(げんばくとうかご)に行われた被爆(ひばく)調査(ちょうさ)軌跡(きせき)を追う

 ●はじめに
 ●被爆前夜─日本の原子物理・放射線の研究状況
 ●突然襲ってきた「新型爆弾」の悲劇
 ●混乱の中の初期調査と原爆の確認
 ●終戦の混乱の中でも続けられる被爆調査
 ●原子爆弾災害調査研究特別委員会と日米合同調査団
 ●日本映画社による原子爆弾記録映画の制作
 ●占領終了後の被爆調査
 ●現在における被爆調査の役割
 ●おわりに/ご協力いただいた方々・参考文献

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