きかくてんをみよう
おわりに
 資料(しりょう)()められた数々の記憶(きおく)が、そして寄贈者(きそうしゃ)の思いが、皆様(みなさま)の心に(とど)いたでしょうか。
 近年、凶悪(きょうあく)事件(じけん)大規模(だいきぼ)事故(じこ)災害(さいがい)に関連し、フラッシュバックあるいはPTSD(心的(しんてき)外傷(がいしょう)後ストレス障害(しょうがい))といった言葉が使われるようになりました。被爆者(ひばくしゃ)の方々も、肉体的のみならず心的(しんてき)後遺症(こういしょう)に、長い間苦しめられたはずです。60年間、「あの日」の記憶(きおく)()()ますことを()けてきた理由の一つかも知れません。
 被爆者(ひばくしゃ)あるいは遺族(いぞく)の方々が、今回の()びかけに(おう)じて、大切な遺品(いひん)に別れを告げ、つらく悲しい秘密(ひみつ)を明かすことを決意された最大の動機は、「あの日」を()(かえ)してはならないという思いではないでしょうか。ここ広島に、そして世界中いかなる場所にも、二度と(ふたた)核兵器(かくへいき)を使用させてはならない、そのためにも、原爆(げんばく)に対する恐怖(きょうふ)犠牲者(ぎせいしゃ)(いた)む気持ちを(わす)れないで()しいという強い願いではないでしょうか。
 広島平和記念資料館は、(たく)されたものの重さをしっかりと受け止め、これからも被爆(ひばく)の真実を伝え続けていきたいと考えます。
 最後に、資料(しりょう)寄贈(きぞう)いただいた被爆者(ひばくしゃ)および遺族(いぞく)・関係者の皆様(みなさま)に心よりお礼を申し上げますとともに、今後とも、被爆(ひばく)体験(たいけん)継承(けいしょう)活動(かつどう)をご支援(しえん)くださいますようお願いいたします。
図版一覧  (敬称略)
表紙(背景)●寄贈 荒井覺 p2,3(写真)●撮影 尾木正己
1●撮影 木村権一 2●寄贈 荒井覺 3●寄贈 高瀬二葉
4●寄贈 堀本忍 5.6.7●寄贈 矢野しげ子 8●寄贈 三宅加代子
9●撮影 陸軍船舶司令部 寄贈 御園生圭輔 提供 財団法人広島原爆障害対策協議会
10.11●寄贈・提供 木村秀男 12.13●寄贈・提供 名川淳史
14.15●寄贈・提供 杉原キクエ 16.17.18●寄贈・提供 西川廉行
19.20.21●寄贈・提供 浅野純以 22●寄贈 飯田粋 23●撮影 川原四儀
24.25●寄贈・提供 平間悦郎 26.27●寄贈・提供 川本都
28●寄贈 末永喜久枝 29.30●寄贈・提供 芳賀順子・深見昭子
31.32.33●寄贈・提供 片山穫 34.35●寄贈・提供 片岡秀子
36●撮影 川原四儀 37●寄贈 数村澄江 38●寄贈 平田照昌
39●寄贈 津田政美 40●寄贈 石橋修一 41●寄贈 坂井玉江
42●寄贈 小林増之 43●寄贈 近重良恵 44●寄贈 秋田澄子
45●寄贈 山香英三 46●寄贈 佐々木忠久 47●寄贈 銭谷君代
48●寄贈 玉岡勤 49.50.51●撮影 木村権一 52●寄贈 田坂嘉英
53.54●寄贈 篠原信子 55●寄贈 桑本栄子 56●提供 濱中信秋
57●提供 高瀬二葉 58●提供 厚井一惠 59●提供 中常正登
60●提供 坂村節夫 61●提供 藤野フサエ 62●提供 槙本トシヱ
63●提供 目代悦子 64●寄贈 吉持昭

託された過去と未来
■被爆資料・遺影・体験記全国募集 新着資料より


●はじめに
■被爆資料・遺影・体験記全国募集の概要-収集実績の解説
■今 明かされる思い
  あの日の記憶
  消えない悲しみ
  帰らぬ人の面影
■私たちに託される思い
  -寄せられた資料の中から
■被爆資料・遺影・体験記全国募集の成果
  広島平和記念資料館への寄贈資料
●おわりに

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