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第7回 広島平和記念資料館展示検討会議要旨

1 日時
平成23年(2011年)8月22日(月)14:00~16:10

2 場所
広島国際会議場3階 研修室(3)

3 出席委員(9名)
今中委員長、大井副委員長、水本副委員長、石丸委員、大澤委員、神谷委員、
静間委員、坪井委員、賴委員

4 事務局(9名)
平和記念資料館 前田館長、増田副館長、山根副館長、大瀬戸主任、落葉学芸員、
福島学芸員
市平和推進課 石田被爆体験継承担当課長、井手口主任技師
広島平和文化センター総務課 三好課長

5 丹青社(4名)

6 議題等
議題1 「本館展示」について
議題2 「導入展示」について
議題3 「降りエスカレーター設置の再検討」について

7 公開、非公開の別
公開

8 傍聴者
報道機関5社ほか1名

9 会議資料名
第7回広島平和記念資料館展示検討会議次第
「広島平和記念資料館展示基本設計業務」検討資料
「降りエスカレーター設置案」
「降りエスカレーター設置の再検討」

※会議資料は、広島平和記念資料館学芸担当(広島市中区中島町1番2号:広島平和記
念資料館東館3階)でご覧いただけます。

10 会議の要旨

《開会》

【丹青社】
本館展示について、第6回検討会議で最終案に残ったA-2案に基づき、2つの比較検討案を説明。
【議題 資料を基に「本館展示」についての説明】

今中委員長
丹青社の説明に対して、御質問・御意見等あればお願いしたい。

石丸委員
A案、B案の選択はいつまでに決める必要があるか。
写真が連続して展示されているが、キャプションもどこかに入るのか。文字はどの程度の比重を持って展示の中に入ってくるのか。

今中委員長
A案かB案かの方向付けは皆さんの意見の出具合にもよる。本日、大まかな方向付けができればと思う。AとBを折衷案した方が良いということもあるかも
しれない。

事務局
今年度は基本設計期間であるため、キャプションの内容までは決定しない。基本設計の最後の段階で、全体を通してキャプションの級数やボリュームなどを大まかに決め込んでいく。詳細には実施設計で詰めていくことになる。

石丸委員
キャプションのボリュームや位置は現段階では踏み込まないのか。イメージ図では写真が連続した空間となっているが、キャプションを写真の間に入れるか、写真の中に組み込むかで、文字もけっこう大きな比重を占めると思う。

事務局
現時点では、本館展示については、展示する資料・写真の見せ方、空間構成を主に議論していただくものであり、キャプションは詳細までは決定しない。

事務局
本日模型を用意しており、見ていただければと思う。

丹青社
模型はA案で作成している。人の被害と都市の被害を実物資料により印象づける空間を最初に設置する。それ以降の展示は、人の目線に立ち、人の視線を意識した展示としている。目線を下げて模型を見ていただくとわかるが、これまでなかなか見通せなかった空間を、ケースを低くして見通せるようにした。高いケースも見通しがきくようなものを中央部に配置した。これまでにない見通しの良い空間とし、また上部に大型グラフィックを表現、館内にはいると被爆の実態の大きなイメージを見ながら、その下に配置された資料を1つ1つ見ていく。これまでになかった被爆の空間の中に入り込んで資料と対峙、気持ちが伝わる展示としたい。

今中委員長
B案の方は(ケースが)切れているが、A案の冒頭のところは展示ケースが出過ぎている。これは仕方がないのか。

丹青社
引っ込ませることはできる。大型の資料を集中させたため窮屈な印象になっている。B案は展示資料を振り分けている。資料の選別が必要になるかもしれないが、スペースの調整は可能である。

坪井委員
展示ケースの間から前方が透けて見える展開がB案にあった。すき間から見えるとかえってイライラするのではないか。A案のようにスーッと見通せばいいが、何かのすき間から見せるのは良くない。

丹青社
比較として作成した。情報量はB案の方が多い。これまでにない資料を色々と展示したいという意向を事務局から聞いている。ただし資料を増やすとどうしても見通しが悪く、これまでと似たような空間になってしまう。

今中委員長
B案の、ケースの間にすき間を作って前方を見せる事は、どういう意味があるのか。

丹青社
初めて来られた方は、どれだけ展示が続いていくのか分かりにくい。壁面で閉ざされて見えない部分のすき間から、少しでも次の空間を見わたせる。

今中委員長
すき間から、対面で展示を見ている人の顔が見える。

丹青社
完全に透けたガラスにするか、前方が感じられるようなすりガラス的なものにするかなど工夫が必要。高いケースにした場合は、前方が感じ取れるような工夫が必要になる。
見通しがきいて全体が見渡せるのはA案。これまでにはないかたちになるだろう。

坪井委員
大量に観覧者が来る場合、人の頭ばかり見え、見通しがきかなくなる。最近は、日本でも背が高い人も多い。大量に来た場合、見通しを確保した意味が無くなってしまう。遠くまで視野がなくても良いと思う。人が少ない場合は、遠くまで焦点が合うので良い。大量に来た場合、すき間から前方が見えても関係ないと思う。

丹青社
前方が見えれば、混んでるから回避していこうという効果もある。修学旅行で混雑する4~5月は、見通しが難しいかもしれない。

丹青社
大きさの感覚であるが、導入展示は意外にボリュームがある。折れ曲がっているが、本館の半分程度ある。そこで大量の人を受け入れなくてはならないことを考えると、このくらいの面積が必要である。

丹青社
補足であるが、A案の空間上部で使用する写真を、展示資料としても目線の高さで展示し、解説を加える予定である。今回の模型では省略している。

石丸委員
上部写真の縮小版か。

丹青社
そうである。絵や写真や人物紹介などである。展示物に近寄っていくと、そこから上部を見上げることはまずない。引いて見た時に、空間全体が見え、悲惨な状況シーンが垣間見える。

今中委員長
坪井委員から、見通しにこだわっても観覧者が多い時は意味がないという意見があった。見通しが必要という点は、これまでの議論の中でもこだわってきた。爆心地のコーナーを出たところから、ある程度奥まで見える方が良いかと思う。現在の展示とは、変わった感じが出ると思う。A案は、「都市の壊滅」の煙突などが通路に出っ張っているので、そこを少し削る。

今中委員長
資料保存の観点が随所に出てくる。A案は、煉瓦塀や煙突でもこれから経年劣化するから展示ケースに入れる案である。B案は必ずしもケースに入れない案である。劣化についてはこだわらなくても良いのか。

事務局
衣類は温湿度に配慮すべきで、ほこり対策も必要。そうでない大型資料はさほど厳密なものではない。錆などの状態をチェックすると、館内空調をきちんとコントロールすればクリアできると考える。

大井委員
A案とB案では、資料の展示量はどの程度違うのか。B案はおおよそ何割くらい多いのか。

丹青社
実物資料を展示するケースの総延長の長さは変わらない。資料につける解説や写真の量は、A案のローケースだと限られてくる。情報量を集約せざるをえない。写真も実物資料として扱うのでB案は資料点数が多くなる。立体物の資料の量はA案もB案も同じである。資料の点数はまだ割り出せていない。

今中委員長
4ページのマネキンの表現は何を指しているのか。

丹青社
現在展示されている籐製の人体に衣服を着せた3体のことである。

今中委員長
3体のうち中央の1体は上半身のみだが、何か意味があるか。

丹青社
上着だけの状態で展示されている現状のままを示した。下のスボンなどがあれば付加した展示ができる。

静間委員
被爆資料はいろいろな角度から近づいて見ることが多い。A案だと一方向からしか見えない。迫力が違う。B案が良いのではないか。その上で、必要なものはケースに入れる。

石丸委員
A案とB案の条件が違うなら、資料館の展示の基本方針を踏まえて、それをどういう視点から考えたからA案とB案になったという繋がりを言葉で示せないか。基本方針の言葉に、より繋がっている案を選ぶ方法ではどうか。

事務局
実物資料で被爆の実相を語るのが本館の役割である。その基本方針に関してはA案もB案もその通りになっている。空間としても一体性を持たせ、資料の量と調整を図りながら、実物により近づいて見えるようにしている。

石丸委員
A・B案の違いはあまり大きくないのか。基本的には同じ方針から発展したものか。

事務局
基本的にはそうである。ただし見え方、空間表現に違いがある。

丹青社
そうである。写真も含めた資料をより見やすく、ということでは両案は同様である。実物資料を未来永劫に保存していくことを考慮すると、展示ケースに入れるか、これまでと同じオープン展示にするか、皆様のご意見を伺って方向性を出す必要がある。そういう意味で比較できるようA案、B案を提案した。
導入で、8/6の被害として熱線・爆風・高熱火災が同時に起こったことを伝えていく、という部分も両案は共通である。一体的な空間とするが大きな違いは、A案は見通しの良さを選択、B案では資料を多数展示することを選択している。見た目は異なっているが、両案の共通理念は変わらない。

今中委員長
端的に言うと、資料に大きな文字で書かれている「A案は被爆の実相を空間表現」、「B案は重層的な展示、奥行き感を出す展示」ということか。

丹青社
B案は実物をケースに入れないので、人がより資料に近づけるため重層的な展示が可能になる。

今中委員長
坪井委員が指摘されたケースのすき間から次の展示コーナーが見える展示はどうか。すき間から対面の人の顔がチラチラ見えることになる。すき間から見せる工夫は必要なのか。

丹青社
完全にふさぐと横6メートル、縦3メートルくらいの壁ができてしまい、初めて来た観覧者は前方が見えず、展示全体がどこまで続くかわかりにくい。前方に次の空間が感じ取れる工夫である。壁を作る場合、前方が見通せる透明な素材で仕切るか、すりガラス的な素材で仕切るかは検討が必要。A案に比べて情報量は多く示せるが、見通しを良くするという課題に対して解決しきれていない。

石丸委員
A案かB案かというよりも、可能であればオープン展示が良いし、情報は少ないよりも多い方が良い、ということにして問題が起きるようであれば良い方法を選択していくようにしてはどうか。

今中委員長
A案・B案の特徴を出そうとした提案であるが、二者択一ができるかどうか。今言われた考え方もあると思う。

大井委員
キャプションを作っていく上で、展示の大きな構造は決めておいた方が良いと思う。時間のかかる作業になる。できたら今回大きな方向性は決めて、構成やレイアウトを決めた方が今後のスケジュール上良いと思う。

坪井委員
現在の展示でも、相当な力がありインパクトが強い。理論的というより感性だけ出せば良い。永久に展示する資料、時々変える資料がそれぞれどれなのか分かるように印を付けて欲しい。鉄の扉のような実物はどうするか。永久展示、更新する展示が見えないとピンと来ない。このコーナーは何年に一度、半年に一度変えるとか。被爆者の描いた絵もたくさんある。そういうものを利用して時々変える展示と永久展示を組み合わせる。
写真も多い。写真の展示の仕方で色々な課題がある。たとえば導入展示で遺影を一堂に展示する場合、写真を四角形のまま展示するのは良くない。遺影は何万人分もあるが、紹介できるのは何百人。背景にいる人々の膨大な数を表そうとしたら写真の周辺をぼかすなど。そういう感性が必要。写真の展示の仕方、作り方、大きさなどにより相当な力が出たり、出なかったりする。写真には色々と手を加え、感受性で受け止められるようにしたい。そういうことについて専門家の検討をお願いしたい。
A案、B案はどちらも共通の考え方である。A案、B案の縛りの中で検討を進めても良いが、後からまた検討できる部分もあると思う。

今中委員長
坪井委員の意見は、方向性を決めて細かい部分は丹青社に委ねるという意味か。

石丸委員
方向性を決めて委ねても良い。

今中委員長
大井委員が言われたように、方向性を固めて進めていかないと議論が前後する。本日、A案かB案か二者択一とするか、A案のこの部分をB案に入れようとか、そういう所までは定めたい。

石丸委員
どちらかに決めるならB案だろうか。

水本委員
A案とB案は共通の考え方ということだが。全体的に見通しをきかせるのは何のためか。コンセプトとどう繋がるのかがよくわからない。来館者がそれぞれのゾーンを印象深く見てもらうことに繋がるのか。見通しがきく、きかないというより、何のためかを考えたい。
「都市の壊滅」のゾーンは、A案では「人の被害」と「建物、街の被害」の両方をミックスしている。ここはこの方が良いのではないか。被害が混在したことを示したい。B案は、建物と人を分けている。このゾーンには現在ジオラマがあるが、基本計画では外している。フィクション的な要素は排除する方向であった。「都市の壊滅」はそのジオラマに代わるゾーンとなり、資料を活用して見せる方法なので衣服と建物は別々にしない案の方が良い。展示物はケースに入れずできるだけオープンな方がリアルである。テクニカルな面もあるので、そこは検証を進めていけば良い。
上記以外は、展示の大きな流れはA案・B案とも同じである。

今中委員長
「都市の壊滅」で建物の被害と人的被害は一緒の方が良い、というコンセンサスでよろしいか。それでは、これは基本的な考え方としたい。
見通しには必ずしもこだわらなくて良いという意見があったが、今までは柱ごとに空間を区切り過ぎていた。爆心地のゾーンから見ると前方に広いゾーンが広がっている方が良いという考え方で進めてきた。その方向性を出していってはどうか。

大井委員
見通しの件だが、本館のコンセプトは「人間の視点から」である。従来の区切った展示ではなく、都市と人を重ね合わせていくのが新しい案である。従来のバラバラな展示ではなく、人間中心の展示である。見通した時にできるだけ全体が見渡せて、この館は「人間の視点から、人を中心に展示しているのだ」ということが空間として明確に把握できた方が良い。見渡せて、本館のコンセプトが観覧者に強く伝わるように進めてはどうか。見通せることを踏まえるとA案が
ベースになり、それぞれの要素を重ね合わせていく。

今中委員長
資料館の収蔵庫には多数の資料がある。未来永劫に展示するのではなく、展示替えできる資料は変えていった方が良い。展示ケースも新しく作り直す訳であるから、出し入れのしやすいケースにしていただきたい。資料交換の手間はかかるが、何年に一度かで新しい資料を出していくなど、資料館に検討して欲しい。
各委員からの意見を踏まえ、基本的な理念を変えずに、丹青社が案をまとめて次回に諮ることでよろしいか。

静間委員
後障害についてもう少し展示してはどうか。7ページに黒い雨の壁や抜けた髪の毛の写真がある。放射線の影響があり、後障害をもたらすことについて伝える展示を増やしてはどうか。

今中委員長
放射線については、後障害の部分は、現在の展示よりも面積や情報が増えるのか。

事務局
後障害の部分の面積は、現在とあまり変わらない。3ページにA案があるが、ゾーニングの「今日までの歩み」が後障害の展示である。「人の被害」では急性障害を扱う。面積は、現在と同じくらいか、少し増やす方向では検討できる。
具体的には神谷委員にも相談したい。

神谷委員
後障害の資料は、原爆の実相を伝える上では大きな意味を持つ。従って後障害の資料は是非提示していきたい。館と相談し具体的な資料を見て、実相を伝えるにはどんな資料がふさわしいか専門家を交えて検討したい。

今中委員長
量はさほどではなくても、質の面で検討したい。

今中委員長
大きな方向性づけをさせていただいた。本日決めたことが全てではない。これから微修正も出てくるだろう。


【丹青社】
導入展示について、2つの比較検討案を説明。
【議題 資料を基に「導入展示」についての説明】

今中委員長
ただ今導入展示について説明があったが、ご質問、ご意見をお願いしたい。

水本委員
3つの画面で映像が流されるが、音声はあるのか。

丹青社
BGMはあろうかと思うが、解説的なナレーションはなくて良いと考える。

水本委員
映像で理解できるようにするのか。

丹青社
映像とキーワードで紹介できる。映像の中に「8/6 8時15分」や「年号」などをキーワード的に紹介しても良いかと思う。ナレーションでの紹介はなくて良いと考える。

水本委員
3つの映像についてそれぞれナレーションを付けることは可能か。

丹青社
3つの音の干渉が起こる。観覧者の動きがナレーションの影響を受ける。観覧者が移動しながら見ていくというより、各ブロックごとに来館者がかたまりになって見ていくような傾向が生じる。

石丸委員
タイトルは「市民生活」と「戦前の市民生活」とがある。戦前とはいつのことか。戦前と戦中の両方を指すのか。あるいは被爆前の市民生活なのか。言葉の混乱を早いうちに統一した方が良い。資料館のメッセージは、今回の展示全体のことを伝えるが長くなってはいけない。「人を中心とした展示」あるいは「ものをして語らしめる展示」といった表現が欲しい。最近の展示手法は日進月歩で変化している中にあって、なぜオーソドックスな展示を行っているかを説明したい。今回のリニューアルで、本館は3回目、東館は開館以来の改修となる。改修計画のことや、今後も必要性が生じれば改修することを予感させるなど、そういうメッセージをうまく簡潔に伝えていないのでは。

事務局
基本設計の報告書に織り込むのではなく、展示そのものとして見せるのか。

石丸委員
展示としてである。導入展示の終わりのあたりに、「今回こういう方針で、こう考えた」というメッセージは要らないだろうか。

今中委員長
ただ今の石丸委員の意見についていかがか。

水本委員
テキストの細かいところは時間をかけて検討する。展示にメッセージを含む方向で検討していけばいいのではないか。

今中委員長

展示に含むとすれば、おそらく東館1階に資料館のメッセージを入れることになるのではないか。文面はそのタイミングで詰めてはどうか。
ホワイトパノラマは、フラッシュ撮影ができないということだが、高感度カメラで撮影できないのか。

丹青社
基本的に従来のフラッシュ撮影では、映像は映らないだろう。

今中委員長
今までの例で言えば、多くの場合、報道サイドはパノラマ周囲に集中して写真を撮る。メディアでは、ミュージアムから世界に発信する場ともなるので重視したい。

神谷委員
A案、B案でパノラマ配置が異なる。A案は映像を見る人とパノラマを観る人のエリアがオーバーラップする。人の流れから見るとB案の方がすっきりしているように見えるが、展示技術から見てどうか。

丹青社
映像で情報をきちんと伝えると、背景の壁面を使うことになる。パノラマ模型では被爆のエリアや地形など、表現できることは限られる。A案はパノラマで伝えることを絞り、B案はパノラマに情報を付加している。B案は、導入展示の最後でパノラマにある程度の時間を割いて見てもらえる位置とした。

神谷委員
委員長が言うように、パノラマは象徴的な場所になるため、きちんとした場所を選んだ方が良い。

丹青社
そういう意味ではB案の位置が良い。映像を投影するかどうかは別であるが。じっくり見るためにはB案の位置の方が適している。先程ご覧頂いた模型はB案の位置で作成している。

静間委員
A案の模型は立体的なのだろうが、B案の模型は平面的になるのか。

丹青社
B案も立体的な地形模型である。そこに映像を重ね合わせる。

静間委員
B案の映像のイメージを次回見ることはできるか。

丹青社
イメージを伝える簡単なものであれば作成できる。

事務局
13ページに治水資料館の事例があるが、わざわざ作らなくも様子のわかりやすいイメージ写真があれば良い。

丹青社
当社の事例から、提示できるものを用意する。

水本委員
ホワイトパノラマにしないで、通常の立体模型に映像を投影して付加価値を出すことはできないか。

丹青社
被爆前・被爆後という表現はできないが、被爆後の模型に高熱火災のエリアや黒い雨が降ったエリアを重ねることはできる。

今中委員長
現在東館にあるような模型はできないのか。

丹青社
被爆前か被爆後か、どちらかである。もともとあった建物の模型に映像を投影すると違和感が出るので、地形模型にしてそこに映像を映した方が効果的であ
る。

静間委員
A案は赤い火球が表現できるが、B案では赤い球が表現できない。

丹青社
映像なので、上空の位置関係は表現できない。平面的な位置関係しか表現できない。模型上に赤いLEDを設置するなどになる。

今中委員長
11ページの映像などは、この写真を使うのか。

丹青社
あくまでもイメージであり、この写真を使う訳ではない。

事務局
「戦前の市民生活」が1分間とすると、1分経った時点で観覧者を前に進めさせるためにインターバル映像が3面に全面的に映される。そこで次に進んだらまた1分の映像が始まると理解している。

丹青社
3つの画面で1分間の映像が同時進行する。観覧者は画面左から右に向かって進み、1分間かけて1コーナーの映像を見る。左画面を1分見てインターバル、中央の画面を1分見てインターバル、右の画面を1分見て、全体で3分間の映像を見る。

賴委員
この通りに観覧者が動いてくれないのでは。ホワイトパノラマに集まってしまうのではないか。どう誘導するかである。

今中委員長
25メートルの空間特性はうまく活かした方が良い。

丹青社
天井高はあまりない。25メートルの横長の壁面を使った、かなり迫力のある映像になる。

事務局
賴委員が言われたように、それぞれの画面を1分も見ずにさっと行く人が多いかもしれない。修学旅行生はそうなるだろう。戦前には普通の生活があり、原爆が落ちて、その後こうなった、というのが全部を見なくても何となくイメージが伝わることが大事だろう。この案にするのであれば、そのへんの配慮が必要である。

大澤委員
見ずにすり抜けて行ってしまう人もいる。8時15分の時計など、実物はどの程度置けるのか。

丹青社
現状は、実物は置かない考えである。

大澤委員
時々展示の案内をするが、本館に早く案内しないと間に合わないので東館をすり抜けて行き、全部は見ない。8時15分の時計を見て、パノラマを見て、という感じである。映像を見なければ、パノラマだけを見て先に進んでもらうということか。

丹青社
ご検討いただきたい部分である。エスカレーターで観覧者がどんどん上ってくる。13ページの平面図の青い部分は、立ち止まらないで進んで欲しいスペースである。導入部は多少の余裕がある。映像を見る人の後ろを通り抜けられるようにしている。ピーク時は観覧者がどんどん入場してくるので、あまり滞留させることは難しい。実物を展示すると滞留の要因になってしまう。この空間で何を一番優先すべきなのかにより、手法も変わってくる。

石丸委員
ここがどういう目的の部屋なのか、導入展示であることを表示するのか。ここはこういう部屋で、先に行くと何があるとか、そういうことを知らせる必要はあるか。

坪井委員
一言で済めばいい。説明は少ない方が良い。1ページのように、ここはこういう部屋、という表示は要るかも。これまで広島一色でやってきた。広島のことを世界に訴えたい。それは東館で展示するのか。

今中委員長
そうである。

大井委員
映像は、情報量が多いのではないか。皆が同じスピードで進むわけではない。スピードが遅くても速くても、市民生活、原爆の投下、廃虚のヒロシマの3つは通り抜けながらもわかるようにするとなれば、情報が詳しすぎる。
インターバル映像は、全体で量的に見せる方がインパクトはあるが、それだけはなく、通り過ぎる人にいかに興味を持ってこれから起こることを感じてもらうか。試行錯誤しながら内容を詰めていくことになる。導入展示としてどうあるべきかである。ここを映像で展開するかどうかの了解はいかがか。

今中委員長
滞留を防ぐために短時間で内容を伝えるためには、映像でないと無理ではないか。ナレーション抜きの映像で展開することは同意か。

水本委員
今の東館の映像は滞留の原因にもなっているが、ナレーションが入っている。映像は足を止めるインパクトもある。映像の独立性があればそれぞれについてコンテンツをじっくり見ようという気になるが、3つの画面が同時進行だと分割映像を見せられている感じになるとスルーされてしまうのではないか。導入展示は単に映像を流すのではなく、最初に把握してもらう役割もあった。同時進行の映像を3分見せる案だけではなく、2分間でも良いので全体をひとつの画面としてみてもらうのも効果的ではないか。ナレーションがまったくないと人が足を止めないのではないか。画面サイズが1/3くらいでもいいので、全員に同じ内容を見てもらってイマジネーションを働かせてもらうとか、考えられないか。映像でしか見られないものを出す工夫をしてほしい。

今中委員長
3つのテーマを1つの画面で展開するのは難しいかもしれない。ナレーションは検討材料。16ページは今決めなくても良い。何らかそういう物を展開する、ということで今後検討を進めていく。

石丸委員
エスカレーターを昇ってすぐのコーナーは、もっと抽象化してはどうか。資料館のイメージを視覚化したり、メロディーを作るなどもある。

今中委員長
報道の撮影ポイントの問題がクリアできれば、ホワイトパノラマで良いのではないか。

大井委員
パノラマはこれまでずっと同じ手法で展開してきたので、ホワイトパノラマを検討してはどうか。

今中委員長
その方向性でよろしいか。

坪井委員
映像が20秒なら5秒ずつのカットにするとか、原爆投下を1つの画面で示し、その後どうなったかをマルチ的な画面で映してはどうか。全部の画面が映っていたら見る人はどう感じるか。1つの映像面で上映している時、他の映像面を消す。市民生活なら、画面全体で「原爆以前はこうでした」がということだけ映っていれば良いのでは。でないと混乱する。

石丸委員
ホワイトパノラマは、誰も見ていない時でも映像が動いているのは情けない。だったら最初から動かない方が良い。

大井委員
現在の模型で、原爆の赤い火球がかなり地上に近いことを見るとどきっとする。赤い球は表現として重要。

今中委員長
ビデオシアターの場合は無人の時があるが、展示観覧が無人になることはないのではないか。

事務局
無人になることは考えにくい。

水本委員
パノラマは、これまでのメディア対応の「型」にはめなくても良いのでは。リニューアルするのだから案内するポイントを瓦礫の街の所にするなど、必ずしもメディア対応はパノラマありきということにこだわらなくて良いと思う。今は動画の時代であるから、もっと柔軟に考えた方が良い。

静間委員
ホワイトパノラマの迫力がどの程度かわからないが、A案の固定模型の方が良いのではないか。

今中委員長
ホワイトパノラマを検討した方が良いか。

大井委員
した方が良い。


【事務局】
降りエスカレーターの設置検討について、3つの比較検討案と課題を説明。
【議題 資料を基に「降りエスカレーター設置の検討」についての説明】

今中委員長
下りのエスカレーターの再検討であるが、選択肢がないので設置は、無理ではないか。エスカレーターは、必ずしもバリアフリーやユニバーサル対応の要件ではない。現在の車椅子利用がどの程度であるかだが、エレベーターでの対応はどうか。現在ご迷惑を掛けている等は生じているか。

事務局
現在はエレベーターを使用しており、特に支障は出ていない。

今中委員長
障害者に不利になることは避けなくてはいけないが、支障がないのであればエレベーター利用とし、エスカレーターは設置せずに観覧空間を広く取るものとする。

【事務局】
今後のスケジュールを説明

《閉会》