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第11回 広島平和記念資料館展示検討会議要旨

1 日時
平成24年(2012年)3月22日(木)午後2:00~4:00

2 場所
広島平和記念資料館東館地下1階 会議室(2)

3 出席委員(11名)
今中委員長、大井副委員長、水本副委員長、石丸委員、宇吹委員、大澤委員、神谷委員、静間委員、坪井委員、賴委員、リーパー委員

4 事務局(7名)
平和記念資料館 前田館長、増田副館長、山根副館長、大瀬戸主任、落葉学芸員、福島学芸員
市平和推進課 石田被爆体験継承担当課長

5 丹青社(5名)

6 議題等
議題 「展示基本設計」のとりまとめ

7 公開、非公開の別
公開

8 傍聴者
報道機関6社ほか2名

9 会議資料名
第11回広島平和記念資料館展示検討会議次第
「広島平和記念資料館展示基本設計業務」検討資料

※会議資料は、広島平和記念資料館学芸担当(広島市中区中島町1番2号:広島平和記
念資料館東館3階)でご覧いただけます。

10 会議の要旨

《開会》
【議題 「展示基本設計」のとりまとめについて】

【丹青社】
「展示基本設計」のとりまとめ内容を、CG動画と資料を用いて説明。

【事務局】
東館地下1階の情報資料室の配置については引き続き実施設計で検討すること、本館の展示室内に休憩用の椅子を設置してはどうかという意見が市の内部で出ていることについて説明。

今中委員長
丹青社と事務局の説明に対して、御質問・御意見等あればお願いしたい。これまで10回にわたる検討会議で委員の方々から出された意見を踏まえ、修正を加えながらまとめたものが本日の基本設計である。
本館の展示室内に、ちょっと休める椅子を設置するかどうかについてもご意見を頂きたい。

大井委員
本館への椅子設置の件だが、スペース的に難しいのではないか。展示計画の当初から、修学旅行シーズンの学校生徒の多さ、導入部分から観覧していくスピードが課題になっている。本館は実物展示で、膨大な資料の中から選んで見せるため、できるだけ多くの資料を展示したい。スペースをできる限り有効活用すべきで、展示スペース内への椅子設置は難しいのではないか。その代わり、展示を見た後に「観覧後の心情に配慮した場」で考えたり、平和公園を眺望する機能があるので、ここで休憩機能を補ってはどうか。ここは展示と建築の棲み分けがあるのかもしれないが、展示設計から言うと、検討がまだ薄い状況である。この場所を詰めていく必要がある。
 
今中委員長
展示空間内に椅子を設置するとしたら、簡単に移動できるものになると思う。展示物の多さ、団体観覧者が多いことを考慮すべき、というこれまでのご指摘であった。市の方では、可動の椅子をと考えているのか。
また、他にご意見はあるか。
 
事務局
椅子を可動にするかどうか、特に詰めた話にはなっていない。簡単に腰掛けたり休める場があったらいいのではということなので、そこも踏まえてご議論を頂ければと思う。

石丸委員
壁面は展示で使う。通路の真ん中に椅子を置く訳にもいかない。「観覧後の心情に配慮した場」まで行けば椅子があって休めますよ、という情報を示した上で、そこまでは我慢してもらうことになるのではないかと思う。
 
今中委員長
どういうかたちにせよ、本館の展示室内に椅子を設置した方が良い、というご意見の方はあるか。

大澤委員
展示を見ると疲れる。現代美術館でもソファーがないと、30分展示を見ただけでも疲れる。何らかのかたちで椅子を設置してはどうか。本館展示の「5.今日までの歩み」は、手記を読むスペースの下側に椅子を置いても良い。ここならあまり目立たない。ホテル等ではエスカレーターの脇に椅子があったりする。

大井委員
椅子の数はどのくらいにするイメージか。

大澤委員
手記を読むスペースの角に、少し椅子が置ける。美術館だと、ボランティアやアルバイトの人が展示室内の椅子に座っている。そのような感じで、格好が良く、目立たない色の椅子なら良いのではないか。

大井委員
柱周りなどの邪魔にならない場所や、各コーナーの目立たない場所に椅子がある程度なら可能かもしれない。設置するとしてもその程度の数であろう。

大澤委員
ソファーコーナーとまでしなくても良い。

大井委員
係員が座る椅子だと思われないようにする。固定的にせず、高齢者や障害者が休むことができ、展示や空間の邪魔にならないようなものなら可能である。展示の検討を終えてから、どこに何が置けるかを考えるレベルである。最初から何か固定的に考えるものではないだろう。
 
今中委員長
展示室を出たところに、かなりの数の休憩用の椅子が置かれる。パンフレット等にも、その休憩場所を書いておく。
 
石丸委員
14ページの、本館のバリアフリー動線がないが、赤線と同じところを通るのか。青線が途中で止まっているがどうか。

丹青社
一般動線と車椅子動線が重なるので表現していない。同じ場所を通ることになる。
 
石丸委員
椅子を置くとなると車椅子が通行できるよう、動線に配慮する必要がある。
 
今中委員長
椅子の設置以外についても、基本設計に対するご意見はいかがか。
 
石丸委員
検索システムの考え方であるが、システムと内容のトラブルが起きた時、すぐに直せるのか。プロが担当しないとできないのか。内容は、次のステップで色々な検討がされると思うが、システムの故障や内容での指摘があった時の対応をあらかじめ考えておく必要がある。システム故障で動かないことが多いと意味がない。
 
丹青社
システムは特別なものではなく、既に構築されたものを使用する予定である。情報検索システムの展開事例は多く、システム上のトラブルはあまりないと考えられる。

石丸委員
子どもが頻繁に押しても大丈夫なのか。
 
丹青社
タッチ式のものは現在一般に流通しており、その技術をそのまま導入できる。
 
石丸委員
内容面についてのトラブルは資料館の対応となるのか。
 
事務局
即時に対応できるかどうかはあるが、内容の更新が可能となるよう考えている。

今中委員長
これまで放射線についての展示をもっと増やす、福島の原発事故があって放射線についてもっと丁寧に扱う、というお話があった。それについては大体良いだろうか。

神谷委員
内容はまだこれからの段階であり、これからの議論で詰めていくことになる。
先程話に出たが、デジタル機器による展示は、技術がどんどん進歩していく。将来的な対応をどう考えるか。iPadのような技術をどうやって取り込んでいくのか。
 
丹青社
当然ながら日進月歩である。ここ数年で新たな技術が安価に出てくる可能性がある。現時点の設計としては、現在安定している最新の技術を設定している。実施設計および施工段階で最新技術の導入が可能なよう、設計図書を取りまとめている。基本設計では、現在の最新技術で組み立てている。

静間委員
椅子の件だが、数を多く設置する必要はないと思う。急に気分が悪くなった人のために、部屋の隅にあるとか緊急用に使えるよう、弱者への配慮が必要。椅子が全くないのもどうかと思う。優先席のような扱いでも良いと思う。本館に入ってすぐの所には置けないだろうから、展示の後半あたりにあればと思う。
 
石丸委員
展示室と観覧後の心情に配慮した場の間にある非常口は、簡単に開くのか。 

事務局
簡単に開き、展示室の外に出ることができる。係員がいなくても開く。

石丸委員
展示室出口まで行かなくてもショートカットで廊下に出られる。そこに行けば椅子はたくさんある。

水本委員
CG映像を見ての印象だが、導入展示で「8月6日の広島」に入る所などを含め、全体にあまり変化を感じない。壁面の色や照度を変えることは可能なのか。
 
丹青社
CGの表現技術上、照明の調整ができていない。設計上では十分に工夫するべきと考えている。
 
水本委員
全体を見渡せる空間とすることにより、逆にどこも同じように見えてしまう。もっとメリハリを付けるべきと思う。
情報端末は、カタログや図録に載っている程度の情報を拡大して見せるより、関心のある人にはもう少し踏み込んだ情報が見られるようにできないか。情報階層を3層にするのであれば、3層目には多少詳しい情報を入れるように考えてはどうか。かなり詳しい情報は地下の情報資料室で提供する、という棲み分けになると思う。
本館展示では上部に写真が多用されているが、写真も展示物だという認識に立ち、キャプションを入れてきちんと見てもらうようにして欲しい。現在の東館にも良い写真があるが、壁面に埋もれてしまい、展示なのかどうかわからないものがある。上部の空間も展示として活用されるべきと思う。
 
丹青社
了解した。
 
大井委員
水本委員が言われた点に加え、入口や導入展示などのスペースも検討が必要である。13ページにある図ではエスカレーターがかなり長い。ここは展示に関する委員会であるが、建物全体の構造を考えていく必要がある。建築との調整は後回しになりがちである。1階は、導入空間に入る前の「玄関」としての空間であり、平和記念公園から見える場所でもある。ここを、より展示を活かす空間として、どうしたら建築としてより効果的な全体空間になるかである。今から、建築と十分な摺り合わせをしてもらいながら進める必要がある。そういう点が、他にも多く残っている。
 
今中委員長
新年度から実施設計に入るが、その段階でも良いのか。
 
大井委員
それで十分である。展示はある年数が経てばリニューアルが必要になるが、建築は長い間もたせなければいけない。かなり詰めた話をしていった方が良い。
本館・東館の天井や照明について。人が混雑すればするほど、上部空間に目がいく。水本委員の話にもあったが、上部の写真を単なるディスプレイで終わらせないような工夫、天井・照明のあり方などで空間の雰囲気が変わるので、まだまだ調整をしていかないと危ういと思う。実施設計では、展示と建築が一体となったもの、そして資料館の意志が一体となったものにしていくためには、危うい点が多くある。

今中委員長
実施設計でもきちんと精査していくものとする。

水本委員
展示では、音声はあまり使わない方針なのか。ビデオなどでは音声付きもあると思う。音声が適した展示もあるのでは。これまで議論に上がっていないが、空間のポイント毎に音声の展示を盛り込む可能性もある。最初から音声を否定しなくてもいいのではないかと思う。そのあたりの考え方はあるか。

事務局
資料館としては、本館展示ではあまり音声を使わないことを考えていた。これまでの展示でも音声はない。証言ビデオのコーナーは音声がある。音声がふさわしい展示があれば、その都度検討したい。
 
坪井委員
今回の提案内容はわかった。現在は、安心・安全の問題に神経を尖らせる時代。消防法を基準に考えるだけでは、予期しないことが起こる時代になった。どこまでプラスして考えるかだが、椅子を設置するだけではなく簡易な折りたたみベッドなども必要かと思う。
もの(空間)としては固まったと思うが、神谷委員が言われたように展示で何を扱うか、音の世界をどう表現するかなどが残る。次の段階として、いかにして魂を入れるかである。もの(空間)は業者に任せても良いが、運営の問題や、「被爆の実相」を来場者にいかに伝えるか、いろいろな思いを我々が示していかないといけない。
子どもたちが静かに見学できるようにするのは学校の仕事だが、社会的な対応がうまくできていない。その辺を考えながら、一歩でも二歩でも前進できればと思う。
 
石丸委員
車椅子の貸し出しシステムは考えているか。
 
事務局
考えている。車椅子は入口付近に準備しておくことになると思う。

今中委員長 
多様なご意見を頂いた。
実施設計段階で検討する内容もあったが、本館展示室に椅子を設置する件については最小限とし、急患や疲れた人に休んでもらう程度とする。宿題として実施設計段階で検討する。
情報検索のシステムは、時代の流れに沿ったものとする。じっくり調べる人にとって情報検索は貴重だが、当館の特徴は学童から高齢者、外国人まで幅広く対象としている。どこかの層に厚く対応すると、どこかが手薄になってしまうため、最大公約数にならざるを得ないところがある。検索についても実施設計で検討しながら進めることとしたい。
放射線の展示内容については、実施設計段階での検討となる。大井委員から意見があった点、展示物に関するものは展示で詰めるが、建築空間との調整については実施設計段階での詰めが必要である。
安心・安全の対応では、想定外のことが実際に起きた訳であるから、緊急時対応はこうする、という考え方を決めておく。
坪井委員からは、よくまとめたというご意見があった。ここまでご意見が出なかった点については、了承していただけたと理解し、進めていきたい。
11回の締めくくりとなるので、実施設計に向けての課題や全体を通してのご意見があればお願いしたい。

石丸委員
建築の免震について。これは実施設計段階になるのかもしれないが、地下をかなり深く掘るのでそれを上手く利用するような免震工事ができないか。
館のテーマは平和記念であり、原爆資料の展示であるが、あまり難しくしないで優しさという配慮が欲しい。「勉強しろ」というスタンスではなく、施設全体で来館者を歓迎する姿勢として、「歓迎しています、見てください」という雰囲気が出せないか。学会などでも、歓迎の態度を表出していると来場者もそれを感じ取ることができる。
 
今中委員長
何かイメージしているものはあるか。
 
石丸委員 
花を置いたりすることも考えられる。
話は変わるが、先日見た映像作品に館の昔の展示が写っていた。現在の展示では不可能だろうが、墓石があったり、素朴なものだった。展示技術が進歩する一方で、失ってはいけないものがあるのではないか。展示の大幅な変更の中でも、継承できるものがあるのではないかと思う。

坪井委員
難しいが、若者や小さい子はアニメに興味を持つ。但し、下手にやるとごちゃごちゃしてしまう。このままでいいかどうかはわからないが、柔らかく紹介するのであればアニメ的なものが少し見られると子どもの心をくすぐると思う。
 
水本委員
我々は既に色々な情報を持っており、ある意味で麻痺している部分があるかもしれない。来館者が一瞬にしてのトータルな破壊であることを感じるタイミングや空間がどこかに必要だと思う。一つは導入展示のところ、もう一つは本館の「都市の壊滅・人の被害」である。
何回も資料を見ていると麻痺してしまうが、シンプルに感じさせることが必要。一瞬にしてのトータルな破壊は、大きくは半径2km圏の街全体、小さくは遺伝子レベルに及んで起こった。それを2つの空間で上手く示すことがカギになるのではないか。シンプルな視点に立ち返って、展示の工夫が必要だと思う。
 
大澤委員
丹下健三氏の本の復刻版に、東館のコンセプトは柔らかさだと書いてあった。図書室や食事の場所も含めての柔らかさかと思う。今は、色々とデザイナーを起用したり、お洒落になっている。資料館のテーマは重いので、単に観光に来た人でもわざわざ寄りたくなるような、「ちょっと行ってみようか」という人も取り込めるようなお洒落なものがあると良いかもしれない。ミシュランガイドでは、宮島は三つ星で、資料館は二つ星である。資料館は物見遊山の場所ではないが、広島に住む人も多いので、そういう人も取り込み、館内を見たらいろいろなことがわかった、という流れ。お洒落なだけでなく、気持ちを落ち着ける場ともなる。3Dアニメーションや、事例にあったBMWミュージアムのようなものがあり、原爆のことは知らなくても「あそこの、あれを見に行こう」という人も取り込めたら、柔らかさもあって、良い場所になるのではないか。重いテーマを見に来る人だけではなく、それ以外の人も取り組むのが、丹下氏が言う柔らかさではないかと思う。
 
大井委員
大澤委員が言われた東館1階は、無料で入れるゾーンである。売店も改善したいし、企画展やショップなどもあり、単に散歩で公園に来る人を引き込む場でもある。ここの空間はまだ未消化である。
 
事務局
売店などを所管する部署に協議することとしている。
 
大井委員
5ページにあるが、本館の展示は「人の視点」が大きなテーマである。展示の入口に、等身大写真で人の視点を感じ取るところがあるが、そこだけで終わってしまっている。水本委員が言われた、大きな破壊があったことも、人の被害と重ねて見せる。人の視点から、どういう風に巨大なものに広げて見せることができるかである。ここがぶれるとまずい。魂の叫びの場も、放射線も、人の視点から大きなものに広げていくことが必要。等身大の御幸橋の写真だけで終わらないよう、ここは展示の意志をどうするかである。コンセプトがぶれないよう注意して実施設計を進めて欲しい。人が中心になっていくと、逆に、被害の大きさが見えにくくなる。
「人」と「被害の大きさ」をどのように効果的に関連づけるかが、展示の手法の宿題である。
 
水本委員
東館3~2階は自ら学べる展示だが、「広島の歩み」のどこかの端末に、広島は街全体で色々な体験を継承していることを入れて欲しい。追悼平和祈念館、広島城、郷土資料館、現代美術館など、あちこちにいろいろな資料を持った場所があるので、それを検索できるようにしたい。平和記念資料館で完結するのではなく、ここから次の場所に行こうと思えるような、街全体のストーリーがわかるような検索を、実施設計で検討して欲しい。

今中委員長
それぞれの委員からのご指摘を留意点として実施設計に引き継いでいきたい。

事務局 
建築と展示の調整についてご意見があったので補足する。今年度、施設整備と展示整備の調整会議を数回開催している。導入空間のあたり、エントランスやロビーについても施設整備と調整を図りながら進めてきた。同様に、実施設計でも情報を共有しながら進めていく。天井部分なども、今後も調整していく。

水本委員
館内で、レシーバーを使った音声ガイドは導入するのか。

事務局
詳細はこれからだが、現在と同様の機能を継続する予定である。
 
水本委員
現在は、資料館全体で無線LANが使えるのか。

事務局
平和公園全体が対象で、資料館の一部でも使える。
 
水本委員
見学しながらネットにアクセスして情報を得る人もいるのではないか。あまり想定しなくても良いのだろうか。
 
丹青社
現在の音声ガイドの代替となるものをいくつかご提案しているところである。
 
水本委員
そういう機器は年々進化する。
 
丹青社
現時点の最新機器でのご提案となる。新技術が出た場合、メンテナンス面も含めて今後も検討していく。
 
石丸委員
ベルサイユ宮殿の音声ガイドは無料だったので、来場者が皆使っていた。そういう時代になったのだと思う。貸す機器の数が大量で、貸し出しスペースも大きくなるので全員に貸し出すのが良いかどうかである。言語は、ボタン選択で6~7カ国語あったと思う。

坪井委員
予算はどうなるのか。せっかく検討しても予算がないから実現できない、とならないか。
 
事務局
基本計画において、耐震工事を含めて概算事業費を46億7千万円の予算規模としている。 

坪井委員
予算がなかなか厳しいのではないか。
 
事務局
国の補助金の活用も含め、今後調整していく。
 
リーパー委員
平和活動家として一番の狙いは、観覧者がこの資料館を出る時に「核兵器は危ない。できるだけ早く廃絶しなければいけない。絶対に許せない」という気持ちになってもらうことである。そのために、ところどころでショックを与えるとか、生々しさや、被爆の問題はまだ解決していないことを伝える必要がある。資料の2ページでは、展示はブルーの色遣いで、原爆投下前の昔の広島を紹介している。これは良いと思う。ブルーで、天気の良さや、素晴らしい街をイメージさせる。この素晴らしい街が消えたという印象を強く与える必要があるのではないかと思う。その後、本館の中はグレーで暗い。少しだけ赤色を入れたりする。イメージ図ではブルーで表現されているが、ブルーの意味は相手に「あまり怒らないでください」という意味の色。そういうことではなく、ところどころで赤を使って「止めなさい(拒否・禁止)」とか「血の色」など、ショックを与える色を検討してはどうか。見終わった子どもたちが悪夢を感じてもいいと思う。そういう、印象の強いものにしてほしい。「普通の世界とは関係のない別世界に入って珍しい物を見ている」とか「画面の世界」という印象を与えてしまうと、皆「ああ、そうですか」「そんなことがあったんですか」となってしまう。その程度では、望んでいる結果にはならない。何もかもコントロールされていて非常に綺麗、贅沢なスペース、通りやすい、というものではなく、少しきつい部分がないとショックを体験しないと思う。
 
今中委員長
リーパー委員が言われる面を検討していく必要がある。前回の話にも出たが被爆後65年が経ち、鉄骨やレンガ壁はあまり劣化していないが、被爆衣服の劣化が激しい。通常の衣服でも、65年経てば朽ちてしまう。これから何十年も資料を保存・保全していくためにはケースが必要。ただし、ケース内に入れることで、剥き出しの展示よりも小綺麗になったという印象を与えてしまう。
資料保全と、生々しさの折り合いを付けていき、実施設計段階での検討が必要である。
最後に事務局から今後のスケジュール等についてご連絡をお願いしたい。
 
事務局
この検討会議をスタートするにあたり、事務局としては「昔の展示は生々しくリアルだったが、今は綺麗になった」と言われることを重く受け止め被爆の実相を伝える、という視点に立った。人の被害を伝えること、都市の壊滅と人の被害が、同時に一瞬にして起こったこと、それを伝えるのが本館のコンセプトとして打ち出されたと思う。2年間議論し、この1年は展示業者も参加して具体的な絵姿を見ながら、より絞り込んだ、中身の濃い議論を頂いて今日に至った。
今日においてもまだ、被爆の実相、生々しさについて指摘があった。お見せしたCG映像では情報量が少ないため、きれいに見えた感があるが、実施設計でより具体的に、密度を上げて示していかなくてはならない。展示基本設計はいいものにまとまったと思う。ご協力に感謝したい。
来年度は、基本設計をもとに実施設計を行う。また施設整備では東館の実施設計を行う。
 
【事務局】
今後のスケジュールを説明

《閉会》